PORSCHE924

PORSCHE924は、それまでPORSCHEのエントリーモデルとしての役割を果たしてきた914の後継モデルとして1975年に発売されました。

フォルクスワーゲングループが同社のエンジンと生産ラインを用いたスポーツカーEA425の開発をPORSCHEに依頼したことが924が誕生するきっかけとなりました。しかし、その後のフォルクスワーゲン社の経営陣の交代とオイルショックによりフォルクスワーゲングループが生産体制まで整えられたEA425の生産を断念したことで計画は一時宙に浮きかけましたが、PORSCHEが生産と販売のライセンスを取得し、924として発売に漕ぎつけました。

エンジンはAudi100用の水冷直列4気筒OHV、排気量1871㏄のエンジンをSOHC化し、排気量を1983㏄まで拡大して搭載されました。エンジンだけでなく、ブレーキ、サスペンション、駆動系などもフォルクスワーゲン、アウディの各車の部品を流用してコストダウンを図っています。

PORSCHEとしては初めてのフロントエンジン・リアドライブという一般的な駆動方式となりましたが、ハンドリングへのこだわりからトランスミッションとデフを一体化し後輪車軸に直結するトランスアクスル方式を採用し優れた重量配分を実現しています。

デザイナーは当時のPORSCHEのチーフデザイナーであったアナトール・ラピールのもと、後に初代Boxsterをデザインしたオランダ人のハーム・ラガーイが担当しました。

924がデビューした当時、中学生だった私は、すでにPORSCHE好きだったことから、914の後継車である924には注目していました。しかし、その心臓部は前述のとおりAudi100のエンジンをSOHC化し排気量を2.0リッターまで排気量を拡大したもので、デビュー当時は最高出力はドイツ本国仕様で125PS、日本仕様ではわずか100PSに過ぎず、911が同時期にカレラRSやRSRで高性能を誇っていたこともあって落胆したことを覚えています。

しかし、その後PORSCHEはトランスアクスル機構の採用によりバランスの取れたレイアウトを活かし、924を944、968へと発展させました。

924自体は944が登場した1988年に生産を終了しますが、基本構造を同じくする1991年に登場した968は1995年まで生産されました。このことは、924が登場して実に20年もの間スポーツカーとして第一線級の性能を保てたのは、トランスアクスルという優れた基本レイアウトがあったからにほかありません。事実、当時944は日本をはじめ各国のスポーツカーを製造するメーカーのベンチマークとされていたようです。

944や968はデビュー時から、カッコいいと思っていましたが、この歳になって、ようやくオリジナル924の良さに気が付いたような気がします....

☝EA425です。

☝こちらはクレイモデルです。

☝こちらは市販型の924初期モデルです。

☝こうやって見るとトランスアクスルで重量配分が良いのがよくわかります。

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